入れ歯を使用している方の中には、「えずく」「喋りにくい」といった問題に悩んでいる方も多いことと思います。なぜ入れ歯を装着するとこれらの問題が発生するのか、その原因と対策についてご説明します。
目次
入れ歯でえずく原因とは?
入れ歯でえずく主な原因は、以下の通りです。
- 入れ歯の大きさと厚み・・入れ歯が口蓋部(上顎の内側)を覆う面積が広いと、異物感が強まり、えずきやすくなります。また、厚みがあるとさらに違和感を感じやすいです。
- 奥歯の入れ歯・・奥歯の入れ歯の場合、舌の付け根や喉に近くなるため、えずきを誘発します。
- 口の乾燥・・入れ歯を装着すると口腔内の湿度が低下し、乾燥することがあります。乾燥はえずきを引き起こす一因です。
入れ歯で喋りにくくなる原因
入れ歯を装着すると、発音しにくくなって喋りにくくなることにもいくつかの理由があります。
- 舌の動きが制限される・・入れ歯が大きい場合、舌の動きが制限されるので、発音がうまく出来なくなることがあります。
- 入れ歯の安定性・・入れ歯がしっかり固定されていないと、喋る際に動いてしまい、発音が不明瞭になります。
- 唇や頬の影響・・入れ歯が唇や頬に圧力をかけると、口の動きが制限されて、喋りにくくなります。
えずきを軽減するための方法
えずきを軽減するための具体的な方法をいくつか紹介します。
- 入れ歯の調整・・歯科医に相談し、入れ歯のサイズや形を適切に調整してもらうことが重要です。上顎用の大きな入れ歯の場合は、口蓋部を覆う面積を減らすことで異物感を軽減できます。
- 薄い素材を使用する・・自費診療の素材を使って入れ歯の厚みを薄くすることで、えずきを防げることがあります。
- 口腔内の潤いを保つ・・唾液の分泌を促すために、水分をよく摂る、噛むことを意識する、唾液分泌を助ける食品を摂取するなどの方法があります。
喋りやすくするための工夫
喋りやすくするためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 発音の練習・・入れ歯を装着した状態で、毎日少しずつ発音練習を行い、舌や唇の動きに慣れることで滑らかに話せるようになります。
- 発音に特化したエクササイズ・・特定の音(特に「サ行」や「タ行」)を発音するエクササイズを行い、正しい発音が出来るように練習します。
入れ歯の再調整
入れ歯が動いてしまう場合は、歯科医に相談して再調整してもらい、動かないように安定させることが必要です。
入れ歯の調整方法とその効果
入れ歯を調整してお口にフィットさせることは、快適な使用感を得るために欠かせません。
- 内側を削って減らす・・入れ歯の内側を削ると口腔内にフィットしやすくなります。
- 磁石やロケーターの使用・・入れ歯に磁石やロケーターを組み込むことで、よりしっかりと固定でき、動きにくくなります。これにより、喋りやすさが向上します。
- 歯茎の形状に合わせた調整・・歯茎の形状に合わせて入れ歯を調整することで、より自然にフィットさせられます。経験のある歯科医師や歯科技工士によって適切な調整を行うと、異物感が減少し、えずきにくくなります。
磁石で固定する入れ歯とは?
入れ歯と入れ歯を固定するための歯の両方に磁石を組み込んで、磁石の力で入れ歯を安定させます。これをマグネットデンチャーと呼びます。
まず、入れ歯側に磁石を付けます。そして、入れ歯を安定させるための歯の歯根部分に磁石にくっつく小さな金属を埋め込みます。磁石と金属がくっつくことで、入れ歯が安定します。
既に多くの歯が失われている場合は、インプラントを埋入して、インプラントの頭の部分に金属を埋め込みます。これにより、入れ歯とインプラントが磁石の力でくっついて安定します。インプラント・オーバーデンチャーと呼びます。
ロケーターで固定する入れ歯とは?
歯茎にインプラントを埋入して、インプラントの頭にロケーターと呼ばれる小さな器具を取り付けます。入れ歯にも対になる器具を取り付け、ボタンのようにはめることで入れ歯を固定します。これをロケーター義歯と呼びます。
入れ歯のケアとメンテナンス
入れ歯を長持ちさせ、快適に使用するためには、日常のケアと定期的なメンテナンスが重要です。
- 毎日の清掃・・入れ歯は毎日清掃し、食べかすやプラークを取り除くことが必要です。専用のブラシや洗浄剤を使用しましょう。
- 定期的な歯科受診・・定期的に歯科医を訪れ、入れ歯の状態をチェックしてもらうことで、必要な調整やメンテナンスを行えます。
- 保湿・・口腔内の乾燥を防ぐために、入れ歯用の保湿剤を使用することも有効です。
【動画】入れ歯がえずく・喋れない方へ
まとめ
この記事を通じて、入れ歯の使用に関する悩みを軽減し、より快適な生活を送るための情報を提供しました。入れ歯でえずく、喋りにくいと感じている方は、ぜひこれらの方法を試してみてください。また、問題が解決しない場合は、歯科医に相談することをおすすめします。