セラミックの治療後に痛いと感じるのはなぜ？

セラミックの治療後にその部分が痛いと感じるケースは起こり得ます。治療後なのにどうして痛みが生じるのか、原因や対処法と共に詳しくご紹介いたします。

セラミック治療とは

セラミック治療は歯の修復に使用される治療法で、欠損した部分にセラミックで歯を作製して使用し美しく強化します。

• 1本虫歯で失ってしまった
• ねじれている歯が1本だけある
• 前歯の角度や大きさが気になるけど矯正ではない治療がしたい

このようなお悩みの方に行う治療です。人工歯を被せるためにお悩みの歯を全方位から削り、その上から接着して人工歯を被せてきれいな歯にします。他の材料より見た目が自然で、耐久性も高い特徴から、短期間で歯を綺麗にされたい方にはおすすめです。

自然な見た目

セラミックは天然の歯と非常によく似た色調を持っています。オールセラミックは光の透過性が高く、人工歯と天然歯の審美性に差異が生じません。ジルコニアセラミックは強度があり、力のかかる奥歯でも使用できます。レジン（歯科用プラスチック）では吸水性による着色汚れが起きるため、見た目にも人工歯とわかりやすいですが、セラミックではそのような着色は起きず、見た目には分かりにくいです。

耐久性

オーラルケアを欠かさず行い、歯科医院での定期的なメンテナンスを受診すれば、長い期間にわたって使用できる確率が高まります。セラミックは人体に優しく生体親和性が高いため、アレルギー反応を起こしにくい素材で、金属アレルギーの方でも入れられる人工歯です。

治療後に痛いと感じる原因

セラミックの治療後に感じる痛みは、神経（歯髄）に近い部分まで削る処置が必要であるためです。歯の神経が刺激され、過敏性が増します。特に深い虫歯の治療や神経に近い部分を修復する場合、痛みが長引くことがあります。

セラミック治療後の痛みの種類

セラミック治療では、被せ物の形状や特徴から、セラミックと噛み合う反対の歯（対合歯）に力が強くかかることが多く、咬合調整がとても重要です。咬合調整がうまく出来なければ、ずっと違和感のあるまま対合歯に負担がかかった状態となります。対処せずにいると歯茎や歯槽骨に炎症が起きて、顎関節症になるリスクも高まります。どんな痛みが生じるかについてご説明いたします。

鈍痛

ずーんとするような鈍い痛みは、治療後一般的に起こりうる反応です。数日から数週間続くことがありますが、基本的には日数の経過をすれば消失します。

しみるような痛み

冷たい飲み物や食べ物を摂った際にキーンとしみるような痛みは、神経の過敏性が原因であることが多いです。こちらも日数が経てば、神経の過敏性が抑えられて痛みが無くなっていきます。

噛むと痛みがある

噛むと痛みが生じるケースでは、セラミックのクラウンが正しく適合していない可能性があります。

セラミック後に痛いとなった際和らげる対処法

痛みを少しでも和らげたいという方にご自宅で行う対処法をご説明します。

適切な歯磨きと口腔ケア

毛先が柔らかい歯ブラシを使用して丁寧に磨くことで歯茎への刺激を減らします。デンタルフロスや歯間ブラシ、デンタルリンスも使用すれば、より口腔内を清潔に保つことができます。

市販の鎮痛薬の使用

痛みが続く方は市販の鎮痛薬を使用して、症状を和らげましょう。ただし、多めに薬を服用するという行為は厳禁です。必ず用法と用量を守り、長期的な使用は避けるようにしてください。

頬の外側から冷やす

痛みがある部分を頬の外側から冷やすことで、炎症を抑えて軽減できます。氷のうや冷たいタオルを使用し、数分間冷やすと効果的です。

セラミック治療後のケアと予防策

セラミック治療後のケアや予防についてご説明します。

定期的な歯科検診を

歯科医院で定期検診を受けると、歯周組織のトラブルの早期発見と対処が可能です。セラミッククラウンの適合状態やその周囲の健康状態を確認してもらいましょう。

適切な食事と生活習慣

硬い食べ物や粘着性の高い食べ物は避け、なるべく歯に負担をかけない食事を心がけましょう。偏りない食生活を送れば、栄養をまんべんなく摂取でき、歯周組織の健康を維持できます。

ストレス管理

ストレスを抱え込むと、歯ぎしりや食いしばりを起こしやすくなる原因となります。治療後の痛みを悪化させないためにも、リラクゼーション法や適度な運動を取り入れ、日常的にストレスを軽減しましょう。

まとめ

セラミック治療後に痛みを感じることは珍しくありませんが、多くは一時的なものです。適切な対処法を実践することで、痛みを和らげることができます。歯科医師へ相談して定期的なチェックを受けながら、セラミッククラウンを長く快適に使用するためのケアを行うのが得策です。