虫歯

前歯が虫歯になったらどうなる?

前歯が虫歯になったらどうなる?

前歯が虫歯になると周りの人から見えやすいため、精神的にも審美的にも影響が大きいです。なぜ虫歯になりやすいのかという原因や、予防方法なども詳しくご紹介いたします。

前歯の重要性

中切歯(ちゅうせっし)、側切歯(そくせっし)、犬歯までの3本の歯の左右、計6本を前歯と呼びます。顔の印象において、前歯はとても重要なファクターであり、話したり笑う際に患者さんご自身も気になる部分です。エナメル質がある部分のみ白濁したり、茶色や黒の変色になればとても目立ちます。ただし、黒い変色はタバコのヤニや、樹脂の変色という可能性もあり、必ずしも虫歯が原因とは限りません。

前歯が虫歯になりやすい原因とは

虫歯になりやすい原因としては下記が挙げられます。

  • 歯垢(プラーク)の蓄積
  • 甘い飲み物やおやつの摂取
  • 唾液の分泌量が少ない

歯垢(プラーク)の蓄積

前歯は磨きやすく歯ブラシが届いているように見えますが、歯と歯の間や歯茎の付近にプラークが溜まりやすいポイントです。前歯の表側ではなく裏側に歯垢が溜まる傾向にあります。歯垢が唾液の成分と結合して歯石になると、歯ブラシでは除去できず、歯科医院で綺麗にしてもらわなければいけません。

甘い飲み物やおやつの摂取

飲食物の糖分がプラーク内で増殖する虫歯菌によって分解される際に酸が発生します。歯面に酸が付着すると口腔内が酸性に傾くため、エナメル質を溶かしてしまいます。

唾液の分泌量が少ない

唾液の分泌は酸を中和し、虫歯を防ぐ役割があります。しかし、ストレスや年齢、服用している薬の影響で唾液の分泌が減少すると、虫歯ができやすくなります。

前歯の虫歯を予防するために

前歯の虫歯を防ぐためには、毎日のケアが不可欠です。

食後すぐに正しい歯磨きを

歯の表面だけでなく、歯と歯の間、歯と歯茎の境目も清潔に保ちましょう。力を入れてこすっては知覚過敏になるリスクがあります。必ず食後にやさしく丁寧なブラッシングをして、更に歯間ブラシやフロスを使うことをおすすめします。

フッ素入り歯磨き粉の使用

フッ素はエナメル質を強化し、虫歯になりにくくします。特に前歯の表面は摩耗しやすいため、フッ素の助けを借りることが効果的です。市販の歯磨き粉よりも歯科医院専門の歯磨き剤を使用すれば、高濃度フッ素を含有しているため、より虫歯予防に繋がります。

定期的な歯科検診

虫歯に限らず、口腔内のトラブルは、早期発見や早期治療が大切です。定期的に歯科検診を受診すると、虫歯の初期段階での治療が可能になります。クリーニングで虫歯の原因になる歯垢や歯石を除去してもらい、フッ素塗布をすれば、歯質は強くなります。歯をなるべく削らないようにすることが、長く歯の健康を維持できます。

甘い飲食物を控えめに

糖分の多い食べ物や飲み物の摂取は、虫歯の原因となる酸を作り出す機会を多くしています。特にジュースや炭酸飲料は口内に酸を長時間残すことになるため、摂取を控えましょう。

水分をこまめに摂取

唾液の分泌を促進するために、こまめな水分摂取を心がけましょう。特に食後やおやつの後に水を飲めばお口の環境を清潔に保つことができます。

口呼吸ではなく鼻呼吸に

虫歯になりやすい環境は、お口の乾燥です。口呼吸が習慣になっている人が鼻呼吸に切り替えれば、お口の乾燥を防げて、虫歯予防になります。口呼吸では、唾液が減少し、歯の自浄作用が低下するため、虫歯のリスクが高まります。

前歯に虫歯ができた場合の治療法

もし前歯に虫歯ができた場合、迅速な治療が必要です。治療法は虫歯の進行度によって異なります。

虫歯の進行

初期むし歯(CO)とは、エナメル質が脱灰をして白濁しホワイトスポットがある状態です。この状態ならば歯科医師の診察でも経過観察で済むことが多く、より念入りな歯磨きと唾液の分泌を促進すれば、白い歯に戻る再石灰化が可能です。進行した状態(C1)と診断されれば、最小限で歯質を削り除去して詰め物(インレー)の治療、中程度(C2)の虫歯になれば象牙質など多く削り取り、薬剤を詰めて接着する被せ物(クラウン)治療になります。重度の虫歯(C3)になれば神経を取り除く抜髄を行い、根管治療などを行うため、長い期間治療を行う必要があります。

第一印象に影響を与える前歯の治療は、どの材料を使うかきちんと把握しましょう。保険適用内の歯科用プラスチック(レジン)は費用が安いメリットがありますが、吸水性があるため経年劣化し着色汚れが出るデメリットが生じます。自由診療のセラミックは医院により異なる費用で高いというのがデメリットですが、着色汚れは起きず審美性の高い修復物を入れられるメリットがあります。

まとめ


前歯の虫歯は、見た目にも影響を与えるため多くの人にとって大きな問題です。ただ、毎日の正しいオーラルケア、甘い飲食物を減らすなどの予防を行えば、そのリスクを大幅に減らせます。適切な歯磨きや定期的な歯科検診を習慣づけ、日々の生活の中で虫歯予防を心がけることが大切です。