
朝、鏡の前で歯を磨いているとき、「あれ?歯ぐきから血が出てる…」なんてこと、ありませんか?「ちょっと歯ぐきが腫れてる気がするけど、まあ大丈夫でしょ」と、そのままにしていませんか?
実は、それ歯周病のはじまりかもしれません。
歯周病は、最初はほとんど痛みがなく、気づいたときには進行していることが多い病気です。「歯医者は痛くなってから行くもの」と思っている方も多いですが、痛くなったときには、すでに歯を支える骨が溶けてしまっているかもしれないのです。
でも、ご安心くださいね。歯周病は、原因を知り、ちょっとした習慣を見直すだけで予防できる病気です。このコラムでは、なぜ歯周病が発生するのか、そして今日からできる予防法をご説明していきます。
歯周病が発生する主な原因
1. 歯垢(プラーク)の蓄積
歯周病の最大の原因は、歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊です。歯垢は、歯の表面や歯と歯ぐきの間に付着し、時間が経つと歯石になってしまいます。歯石になると歯磨きでは除去できず、歯科医院でのクリーニングが必要になります。
歯垢が増えるとどうなる?
- 歯ぐきに炎症が起こり、腫れや出血を引き起こす
- 歯周ポケットが深くなり、細菌が増殖しやすくなる
- 歯を支える骨が溶けてしまい、歯がぐらつく原因になる
つまり、歯垢をしっかり除去することが、歯周病予防の第一歩なのです。
2. 歯磨き不足による細菌の増殖
「毎日歯を磨いているから大丈夫!」と思っていませんか? しかし、磨き残しがあると、歯垢がどんどん溜まり、歯周病を引き起こす原因になります。
正しい歯磨きができていないと…
- 磨き残しができて、歯垢が溜まりやすくなる
- 歯と歯ぐきの間に細菌が入り込み、炎症を起こす
- 奥歯や歯並びの悪い部分は特に磨き残しが多い
1日2回の歯磨きだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを併用することが大切です!
3. 生活習慣(食生活・喫煙・ストレス)
日常生活の習慣も、歯周病の発生に大きく関わっています。
歯周病になりやすい生活習慣
- 糖分の多い食事 → 細菌のエサになり、歯垢が増える
- 喫煙 → 血流が悪くなり、歯ぐきの免疫力が低下する
- ストレス → 免疫力が低下し、炎症が悪化しやすくなる
生活習慣を見直すことも、歯周病予防の重要なポイントです!
4. 不正咬合や歯並びの問題
歯並びが悪いと、歯ブラシが届きにくくなり、磨き残しが増えてしまいます。また、噛み合わせが悪いと、一部の歯に負担がかかりすぎて、歯ぐきや歯槽骨にダメージを与えてしまいます。
不正咬合による影響
- 磨き残しが多くなり、歯垢が溜まりやすくなる
- 噛み合わせのバランスが崩れ、歯ぐきへの負担が増える
気になる場合は、歯科医院で相談し、適切なケアを受けましょう。
5. 糖尿病などの全身疾患との関係
実は、歯周病と全身の健康には深い関係があります。
特に糖尿病の方は、歯周病になりやすいことがわかっています。
歯周病と全身疾患の関係
動脈硬化・心疾患 → 歯周病菌が血流に乗り、動脈硬化を引き起こす可能性がある
歯の健康を守ることが、全身の健康にもつながります!
歯周病を予防するためにできること
歯周病は気づかないうちに進行することが多い病気ですが、正しいケアを続けることで予防することができます。
ここでは、毎日の生活の中で簡単に取り入れられる予防策をご紹介します。
正しい歯磨き習慣
「毎日歯を磨いているから大丈夫!」と思っている方も多いかもしれませんが、実は自己流の歯磨きでは磨き残しが多く、歯周病のリスクが高まることがあります。ポイントは「丁寧に、正しく」です。
1日2回以上、丁寧に歯磨きする
朝と夜の2回、できれば毎食後に歯を磨くことが理想的です。特に就寝中は唾液の分泌が減り、細菌が増えやすくなるため、夜の歯磨きは特に念入りに行いましょう。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは十分に取り除けません。**デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで、細かい部分までしっかりとケアできます。**特に歯ぐきの近くに歯垢が溜まると、歯周病の進行が早くなるため、毎日の習慣に取り入れましょう。
電動歯ブラシを活用するのもおすすめ!
電動歯ブラシは、手動の歯ブラシに比べて細かく振動するため、歯垢を効率的に除去できます。「手磨きだとすぐに疲れてしまう」「力加減が難しい」と感じる方は、電動歯ブラシを活用すると良いでしょう。
「磨いている」と「磨けている」は違います!歯磨きのやり方を見直して、より効果的なケアを目指しましょう。
歯科医院での定期的な健診
「痛みがないから大丈夫」と思っている方も多いですが、歯周病は痛みが出るころにはすでに進行していることが多い病気です。
定期的に歯科医院で健診を受けることで、歯周病の早期発見・早期治療が可能になります。
歯石を除去するプロのクリーニング
毎日の歯磨きでは落としきれない歯垢が、時間が経つと歯石になります。歯石は一度できてしまうと歯磨きでは除去できないため、歯科医院でのクリーニングが必要になります。3ヶ月〜6ヶ月に1回のペースでクリーニングを受けると、歯周病予防に効果的です。
歯ぐきの状態をチェック
歯ぐきの腫れや出血がないか、歯周ポケットの深さが正常かどうかをチェックすることで、自覚症状がなくても歯周病の初期サインを見つけることができます。早期発見ができれば、治療の負担も少なく、健康な歯を長く保つことができます。
早期発見・早期治療が重要!
「何かあったら歯医者に行く」のではなく、「何もなくても定期的にチェックする」という意識が、歯周病予防にはとても大切です。
歯科医院は「治療する場所」ではなく「予防する場所」として活用しましょう!
食生活の改善
「歯周病と食事は関係あるの?」と思うかもしれませんが、食生活は歯ぐきの健康に大きな影響を与えます。
歯周病の予防には、歯と歯ぐきを健康に保つ栄養素をしっかり摂ることが重要です。
1. 糖分の摂取を控える
甘いお菓子やジュースには細菌のエサとなる糖分が多く含まれています。糖分の摂取が多いと、細菌が増え、歯垢が溜まりやすくなるため、控えめにしましょう。
2. カルシウム・ビタミンCを積極的に摂取
- カルシウム(乳製品、小魚、大豆など) → 歯や骨を丈夫にし、歯周病の進行を抑える。
- ビタミンC(レモン、ピーマン、いちごなど) → 歯ぐきの血流を改善し、炎症を防ぐ
- ポリフェノール(緑茶、ブルーベリーなど) → 抗菌作用があり、歯周病菌の増殖を防ぐ
3. よく噛んで食べる習慣をつける
柔らかいものばかり食べていると、歯ぐきへの刺激が減り、血行が悪くなります。よく噛むことで唾液が分泌され、口の中が自然と浄化されるため、歯周病予防につながります。
食生活を少し意識するだけで、歯と歯ぐきの健康が大きく変わります!
生活習慣の見直し
歯周病は、日々の生活習慣とも深く関わっています。
何気ない習慣が、歯ぐきを傷つけ、歯周病を悪化させる原因になっているかもしれません。
1. 禁煙をする
喫煙は歯周病の大きなリスク要因のひとつです。タバコを吸うと歯ぐきの血流が悪くなり、細菌に対する免疫力が低下します。そのため、歯周病が悪化しやすく、治療しても改善しにくいという特徴があります。
2. ストレスをためない
ストレスがたまると、体の免疫力が低下し、歯周病が悪化しやすくなります。適度にリフレッシュし、リラックスする時間を作ることも大切です。
3. 睡眠不足を避ける
睡眠が不足すると、免疫力が低下し、炎症を抑える力が弱まります。規則正しい生活を心がけ、質の良い睡眠をとることが、歯周病予防にもつながります。
生活習慣を見直すことは、歯周病だけでなく全身の健康にも良い影響を与えます!
歯周病予防は、特別なことをする必要はありません。毎日の小さな積み重ねが、将来の歯の健康を大きく左右します。「今は大丈夫」と思っている方も、ぜひ今日から意識してみてくださいね!
まとめ
今日からできる歯周病対策
歯周病は、歯垢の蓄積、歯磨き不足、生活習慣の乱れ、全身疾患など、さまざまな要因が絡み合って発生します。しかし、日々のちょっとした心がけで予防することができます。
「最近、歯ぐきが腫れてるかも?」と感じたら、早めに歯科医院でチェックしてもらいましょう!