歯と口のトラブル

歯の数が普通より多いのは問題がある?

歯の数が普通より多いのは問題がある?

「なんだか歯が多い気がする…?」そんな風に感じたことはありませんか?

「歯の数が普通より多いなんて、珍しいことなのでは?」と驚かれるかもしれません。でも実は、過剰歯と呼ばれる余分な歯が生えてくるケースは、それほど珍しいことではないのです。

「このままでいいの?」「将来的に問題が出る?」と、不安に思うのも当然ですよね。見た目の違和感や、噛み合わせへの影響が気になる方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、歯の数が多い場合に考えられる原因やリスク、必要な治療法についてわかりやすく解説します。不安を解消し、適切な対応ができるように一緒に見ていきましょう。

歯の数が多いのはどんな状態?

歯の数が通常よりも多い状態を「過剰歯(かじょうし)」といいます。通常の永久歯や乳歯に加えて余分に生えてくる歯のことを指します。

種類としては以下のようなものがあります。

  • 正中過剰歯(せいちゅうかじょうし) → 前歯の中央部分に余分に生えるケース。
  • 臼歯部過剰歯(きゅうしぶかじょうし) → 奥歯の近くに余分に生えるケース。
  •  埋伏過剰歯(まいふくかじょうし) → 歯ぐきの中に埋まっていて、見た目ではわからないケース。

これらの過剰歯は、気づかないうちに存在していることもあり、クリニックでのレントゲン検査などで発見されることが多いです。

過剰歯の原因とは?

発生する原因は明確にはわかっていませんが、以下のような要因が考えられています。

遺伝的要因 → 家族の中で同じように歯の数が多い方がいる場合、遺伝の影響が考えられます。
胎生期の発達異常 → 歯が形成される段階で、余分な歯胚(しはい)ができることがあります。
外傷や炎症の影響 → 幼少期の歯ぐきへの強い衝撃や炎症が原因となることがあります。

過剰歯があるからといって必ずしも問題があるわけではありませんが、位置や生え方によっては治療が必要になることもあります。

過剰歯によるリスクや問題点

そのままにしておいても問題がない場合もありますが、以下のようなリスクがあるため注意が必要です。

過剰歯があることで、周囲の歯の成長や位置に影響を及ぼす可能性があります。特に、顎の成長過程にある子供の頃に過剰歯があると、周囲の歯が正常に並ばず、不正咬合の原因となることがあります。その結果、矯正治療が必要になるケースも少なくありません。

また、過剰歯が顎の骨の内部に埋まっている場合、炎症を引き起こすリスクが高まります。埋伏過剰歯は見た目には影響がないものの、成長とともに周囲を圧迫し、歯の根を吸収してしまうこともあります。これが進行すると、歯の寿命を縮めてしまう可能性があるため、定期的なレントゲン検査で確認することが重要です。

さらに、過剰歯は食べ物を噛み砕くことや発音にも影響を与えることがあります。噛み合わせがずれることで、特定の歯に過度な負担がかかり、摩耗や破折のリスクが高まることも考えられます。特に硬い食べ物を噛む際に違和感を感じる場合は、早めに歯科医師に相談することが望ましいです。

歯並びの乱れ(不正咬合)

余分な歯があることで、ほかの歯の並びが乱れることがあります。
特に前歯部分に過剰歯があると、矯正が必要になるケースも。
歯が正しく生えず、歯並びがガタガタになることもあります。

噛み合わせの異常

過剰歯が邪魔になり、しっかりと噛めないことがあります。
噛み合わせが悪くなることで、顎関節症を引き起こすリスクも。
長期的には、顎の痛みや頭痛を引き起こすこともあります。

むし歯や歯周病のリスクが高まる

歯が重なり合うことで歯磨きが難しくなり、汚れが溜まりやすくなります。
その結果、むし歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。

過剰歯が歯ぐきを圧迫し、炎症を引き起こすことも。

歯並びが悪くなることで「サ行」や「タ行」の発音がしづらくなることがあります。これは、特に子供の言葉の発達に影響を及ぼすことがあり、適切な治療が必要になることもあります。

見た目の問題

前歯に過剰歯があると、見た目が気になる方も多いです。
笑ったときに違和感があるなど、美容面での影響も。
特に若い方や就職活動を控えた方にとって、歯並びの印象は大切です。

発音への影響

歯の位置がずれることで、発音に影響が出る場合があります。
特に「サ行」や「タ行」の発音がしづらくなることがあります。

これらのリスクを防ぐためにも、定期的な健診で過剰歯の有無を確認することが大切です。過剰歯が原因で歯並びや噛み合わせに問題が生じる前に、適切な対策を講じることが重要です。

過剰歯は抜くべき?

過剰歯を抜くかどうかは、状態や影響によって異なります。

抜歯が推奨されるケース

他の歯の歯並びを乱している場合

噛み合わせに悪影響を与えている場合

むし歯や歯周病のリスクが高まっている場合

埋伏していて周囲の歯や歯ぐきに炎症を起こす可能性がある場合

抜歯しなくてもよいケース

歯並びや噛み合わせに影響を与えていない場合

他の歯に害を及ぼさず、特に問題を引き起こしていない場合

埋伏していても痛みや腫れなどの症状がない場合

過剰歯の抜歯が必要かどうかは、歯科医師と相談しながら慎重に判断しましょう。

過剰歯の治療法とは?

治療は、その位置や影響によって異なります。

抜歯

他の歯に影響を及ぼす場合、過剰歯を抜くことが一般的な治療法です。
特に歯並びや噛み合わせに問題がある場合は、早めの抜歯が推奨されます。

経過観察

もし過剰歯が特に問題を引き起こしていない場合、無理に抜く必要はありません。
ただし、定期的な健診を受けて、将来的なトラブルを防ぐことが大切です。

矯正治療

すでに歯並びが乱れてしまっている場合、矯正治療が必要になることも。
過剰歯を抜いた後に歯列矯正を行うことで、より整った歯並びを目指せます。

どの治療法が適切かは、歯科医師と相談しながら決めるのが良いでしょう。

まとめ

過剰歯が気になる場合の対処法

歯の数が多いこと自体は珍しいことではありませんが、放置するとトラブルにつながることもあります。もし過剰歯があるとわかったら、以下のステップを参考にしてください。

まずは歯科健診を受ける → レントゲンなどで過剰歯の位置を確認しましょう。
治療が必要かどうかを判断する → 影響がない場合は経過観察でOK。
抜歯が必要なら早めに対応する → 歯並びや噛み合わせに影響がある場合は、歯科医師と相談して治療を進めましょう。

歯の健康を守るためにも、定期的な健診を受け、必要な対策を取ることが大切です。