
朝、鏡を見たとき、ふと目に入った自分の舌。
「あれ…なんか白い?」
何気なく口を開いてみると、舌の表面が白っぽく覆われているのに気づき、心がざわつく。
「何か悪い病気のサイン?」
「最近疲れが溜まっているから?」
「このまま放っておいても大丈夫なのかな…?」
今まで気にしたことがなかったのに、一度気になり始めると、どんどん不安が膨らんでしまう。
でも大丈夫。
舌が白くなる原因のほとんどは、適切なケアや生活習慣の見直しで改善できるものです。
もちろん、まれに病気のサインであることもありますが、見極めるポイントさえ知っていれば、適切に対処できます。
このコラムでは、舌が白くなる原因や考えられるリスク、そして改善方法までを分かりやすく解説していきます。
「もしかして私の舌、大丈夫かな?」と感じている方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
舌が白い…これって問題?
「鏡を見たら、舌が白い!これって大丈夫?」
こうした疑問を持つ患者さんは少なくありません。普段は気にしない舌の色ですが、いざ白くなっていることに気づくと不安になりますよね。

健康な舌とは?
舌の色はピンク色が理想的です。表面がなめらかで、薄く白い舌苔(ぜったい)がついている程度なら問題ありません。ですが、べったりと白く覆われていたり、違和感を感じる場合は注意が必要です。
では、舌が白くなる原因とその対策を詳しく見ていきましょう。
舌が白くなっているのをそのまま放置するとどうなる?

舌の白さをそのままにしていると、以下のような問題が起こる可能性があります。
口臭の原因になる
舌に付着した汚れが細菌の温床となり、口臭が強くなることがあります。
味覚の変化が起こる
舌の表面に汚れが溜まると、味を感じにくくなることがあります。
病気のサインを見逃す
胃腸の不調や全身疾患が原因のこともあり、放置することで悪化するリスクがあります。
「舌が白いから」といってすぐに病気とは限りませんが、違和感が続く場合は早めの対策が必要です。
舌が白くなる主な原因と対策
舌が白くなる原因はいくつか考えられます。
1. 歯垢の付着(舌苔)
歯磨きと一緒に適切な舌磨きを行うことが大切
対策
舌専用のブラシや歯ブラシで軽くこする
1日1回、朝の歯磨きと一緒に行う
解説
舌苔(ぜったい)は、食べカスや細菌が舌の表面に付着してできるものです。適切な舌磨きをすることで清潔な状態を保てます。
2. 口の乾燥
ストレスや加齢、口呼吸が原因になることも
対策
こまめに水分補給をする
唾液腺を刺激するマッサージを行う
しっかり噛んで食べることで唾液の分泌を促す
解説
口の乾燥は、特に寝起きや加齢で悪化しやすいです。水分補給や食事の工夫で改善できる場合があります。
3. 口腔カンジダ症
舌が白くなり、こすると赤くただれることもある
対策
口の中を清潔に保つ
免疫力を下げないよう、規則正しい生活を心がける
症状が続く場合は歯科を受診
解説
カンジダ菌は健康な人の口にも存在しますが、免疫が落ちると増殖し、舌が白くなることがあります。特に高齢者や抗生物質を長期間服用している人に多く見られます。
4. 病気のサインの可能性
長期間白いままの場合は、医師に相談を!**
対策
舌の状態を定期的にチェックする
胃腸の調子や体調にも気を配る
生活習慣を見直す
解説
舌は健康のバロメーターとも言われています。普段の体調にも気をつけながら、気になる変化があれば早めに医療機関に相談しましょう。
身体の不調が舌に出るときのサインは?
「舌は健康の鏡」と言われるほど、全身の不調が表れやすい場所です。舌の色や形、表面の状態を観察することで、体の健康状態を推測することができます。では、どのような舌の変化が、どんな体調不良と関係しているのでしょうか?

1. 舌が白く厚くなる → 胃腸の不調のサイン
舌が全体的に白く厚く覆われている場合、消化器系の不調が関係していることがあります。特に、胃の調子が悪いときや、便秘・下痢を繰り返しているときに、このような舌の状態が見られることがあります。
関連する症状
食欲不振
便秘または下痢を繰り返す
改善のためにできること
消化の良い食事を心がける(うどん、おかゆ、スープなど)
適度な運動で腸の動きを促す
2. 舌が真っ赤になる → 熱中症・発熱・ビタミン不足のサイン
舌が異常に赤くなっている場合、体の中で「熱」がこもっているサインかもしれません。
例えば、風邪をひいて熱があるときや、脱水症状を起こしているときに、舌の色が濃くなることがあります。
また、ビタミンB群の不足によって、舌の粘膜が炎症を起こし、赤くなることもあります。
関連する症状
体がだるい、脱水症状
口内炎ができやすい
改善のためにできること
ビタミンB群を含む食事をとる(豚肉、大豆、卵、緑黄色野菜など)
体を冷やす(冷却シートや適度な休息)
3. 舌の側面に歯型がつく → むくみや疲労のサイン
舌の側面にギザギザした歯型がついている場合、体に余分な水分が溜まり、むくんでいる可能性があります。
また、体が慢性的に疲れていたり、ストレスが溜まっているときにも、このような舌の変化が見られることがあります。
関連する症状
体がだるい、疲れやすい
眠りが浅い
改善のためにできること
カリウムを含む食事をとる(バナナ、ほうれん草、アボカドなど)
適度に体を動かして血流を促す
4. 舌の表面がツルツルになる → 貧血・栄養不足のサイン
健康な舌には、表面に細かい凹凸(舌乳頭)があり、ざらざらとした質感を持っています。しかし、舌がツルツルと平らになり、色が薄くなる場合、貧血や栄養不足の可能性があります。
特に、鉄分不足や亜鉛不足が関係していることが多く、女性に多く見られる傾向があります。
関連する症状
立ちくらみやめまいがある
爪が割れやすい
改善のためにできること
ビタミンCを一緒に摂ると鉄の吸収が良くなる(柑橘類、ピーマンなど)
必要なら医師に相談し、鉄剤を処方してもらう
5. 舌が紫色っぽい → 血流の悪化や冷えのサイン
舌が紫色や暗い赤色になっている場合、血行不良のサインかもしれません。
特に、冷え性の人や、ストレスが多い人にこのような舌の変化が見られることがあります。
また、血液の流れが悪くなると、肩こりや頭痛を感じやすくなることもあります。
関連する症状
肩こりや頭痛がある
目の下にクマができやすい
改善のためにできること
・体を温める食事を心がける(生姜、にんにく、根菜類など)
・ストレッチや軽い運動で血流を促す
・お風呂にゆっくり浸かり、体を温める
舌の状態は、身体からのメッセージ
舌の色や形、表面の状態は、体の健康状態と深く関わっています。「いつもと違うな?」と感じたら、それは身体からのメッセージかもしれません。
舌のチェックポイント
真っ赤な舌 → 熱中症・発熱・ビタミン不足
ギザギザの歯型がある舌 → むくみ・疲労
ツルツルした舌 → 貧血・栄養不足
紫色の舌 → 血行不良・冷え
もし舌の状態に異常を感じたら、まずは生活習慣を見直し、改善を試みましょう。症状が長引く場合は、歯科や医療機関に相談することをおすすめします。
「舌を見れば、健康状態がわかる」
毎日の歯磨きの際に、ぜひ鏡で舌の色や状態をチェックする習慣をつけてみてくださいね!
健康な舌を保つためにできること

水分補給をしっかり行い口の乾燥を防ぐ
バランスの取れた食生活を心がける
定期的な歯科健診でチェックを受ける
まとめ
「舌の白さ」に気づいたらすべきこと
舌の白さに気づいたら、まずは原因をチェックし、適切な対策をとることが大切です。症状が続く場合は、歯科や医療機関で相談しましょう。
健康な舌を保つことは、お口の健康だけでなく、全身の健康にもつながります。日々のケアを大切にしましょう!