虫歯

虫歯が痛い時は冷やすべき?

虫歯が痛い時は冷やすべき?

クローバー歯科クリニック豊中駅前院 歯科医師 松本 康裕

虫歯が痛い時、冷やすことで痛みが和らぐといわれます。しかし、冷やすことが本当に効果的なのか、また適切な方法や注意点は何なのかを知ることが大切です。虫歯の痛みへの正しい対処法として「冷やす」ことについてご説明します。

虫歯が痛い時の応急処置は?

虫歯が痛くて我慢できない時にはどのように応急処置をしたら良いのでしょうか?

  1. 痛み止めを飲む
  2. 冷やす

1.我慢せずに鎮痛剤を服用する

鎮痛剤として歯科医院で処方する代表的なお薬はロキソニンです。ドラッグストアで購入可能な鎮痛剤は「ロキソニンS」など、いくつかの種類があります。痛みが強く、直ぐに歯科に行けない時は、まず鎮痛剤を飲んで様子を見ましょう。

痛み止めの薬は応急処置ですので、必ず歯科を受診して痛みの元をつきとめ、治療を受けましょう。

  • 市販の鎮痛薬を適切に使用することで、痛みを一時的に抑えることができます。
  • 鎮痛薬は即効性があり、冷やすことと組み合わせることで相乗効果が期待できます。

2.冷やして痛みを止める

歯痛は歯の中の血流を一時的に抑えると緩和しますので、患部付近を冷やすと痛みが和らぎます。

虫歯によって起こっている歯痛を冷やして痛みを抑えるやり方としては、氷や保冷剤をタオルで巻いたものを頬にあてて冷やす方法と、氷を口に含んで直接的に患部を冷やす方法があります。冷えピタなどを頬に貼って冷やすのも良いでしょう。

3.その他

歯科で処置を受けるまでの間は、下記のような点にも気をつけましょう。

口を清潔に保つ

患部周辺を優しく歯磨きし、食べ物の残りや歯垢を取り除くことで痛みを軽減できます。清潔にすることで炎症が進行するリスクを抑え、痛みの原因を取り除くことが可能です。

刺激を避ける

極端に熱いものや冷たいもの、硬い食べ物を避けることで、神経への負担を減らすことができます。適切な食事選びにより、歯への刺激を最小限にし、痛みを和らげることができます

その他

  • 食事の時は痛い歯で噛まないように気をつける
  • 硬いものを噛まないようにする
  • 指や舌で痛い部分を触らないようにする
  • 痛い部分に歯ブラシを強く当てないようにする

冷やすことの効果と役割

虫歯の痛みに対して冷やすことは、一時的な痛みの軽減に役立つ場合があります。その理由は以下の通りです。

血流を抑える効果

冷やすことで血管が収縮し、炎症部位への血液の流れを一時的に減少させることができます。その結果、腫れや痛みを軽減します。

血流が減少することで、炎症による腫れが抑えられ、痛みが和らぎます。ただし、冷やしすぎると逆効果になる場合があるため注意が必要です。

神経の過剰な反応を抑える

冷たい刺激は、神経の過敏反応を一時的に抑える効果があります。神経が過剰に刺激されている場合、冷却することで一時的に鎮静化し、不快感が減少します。

ただし、これらの効果はあくまで一時的なものであり、根本的な治療にはなりません。冷やす際には適切な方法を守ることが重要です。

虫歯の痛みを冷やす際の適切な方法

冷やす際には以下の点を守りましょう。

外側から冷やす

患部を直接冷やすのではなく、頬の外側から冷やすことで効果的かつ安全に痛みを和らげることができます。直接患部に冷却材を当てると、組織が傷ついたり、神経がさらに敏感になる可能性があります。外側から冷やすことで安全に対応できます。

冷やしすぎに注意

長時間冷やしすぎると、血流が過剰に減少し、組織にダメージを与える可能性があります。以下のような方法が推奨されます:

  • 冷やす時間は10〜15分程度を目安にする・・短時間で冷やし、間隔を空けて行うことで効果的に炎症を抑えられます。
  • 冷却材を直接肌に当てず、タオルで包む・・直接当てると凍傷になるリスクがあります。タオルで包むことで適切な冷却が可能です。

適切なタイミングで冷やす

痛みが強い時や腫れがある時に冷やすと効果的です。痛みのピーク時に冷却を行うことで、即効性のある痛みの軽減が期待できます。

冷やすことによる効果は一時的ですが、炎症による不快感を軽減するには有効な手段と言えます。

冷やす際に注意すべきポイント

冷やすことが適切でない場合もあるため、以下の点に注意してください。

強い腫れや膿がある場合は冷やさない

強い腫れや膿が見られる場合、冷やすことで症状が悪化する可能性があります。このような場合はすぐに歯科を受診してください。このような症状は、感染が進行しているサインであり、冷却が逆効果になる恐れがあります。

冷やしても痛みが改善しない場合

冷やしても痛みが続く場合、虫歯が神経に達している可能性があります。この場合、専門的な治療が必要です。冷やすだけでは症状が根本的に改善しない場合、早急な治療が求められます。

温めてはいけない

痛みを和らげるために温めると、炎症が悪化し、痛みが増すことがあります。炎症部位を温めることで血流が増加し、痛みや腫れがさらに悪化するリスクがあります。

これらの注意点を守ることで、冷やすことによるリスクを最小限に抑えることができます。

虫歯が痛い時の応急処置でダメなこと

身体が温まって血行が良くなることで、痛みは増します。そのため、虫歯の痛みがある時は、身体が温まるような行為は避けましょう。

  1. 入浴しない
  2. 激しい運動をしない
  3. 飲酒しない

1. 入浴がダメな理由

入浴して身体が温まると血行が良くなり、歯の痛みが増します。

歯が痛い時に入浴したい場合は、軽くシャワーを浴びるようにしましょう。

2. 激しい運動がダメな理由

激しい運動で身体を動かすと、血行が良くなって痛みが増します。

3. 飲酒がダメな理由

酔っぱらうと一時的には痛みが和らぐかもしれませんが、血液の循環が良くなると痛みは強まりますので、飲酒は痛みを増すことに繋がります。

根本的な治療の重要性

冷やすことやその他の対処法はあくまで応急処置であり、根本的な治療ではありません。痛みを感じた時点で早めに歯科を受診し、適切な治療を受けることが最も重要です。

虫歯の進行度に応じて以下の治療法が必要となる場合があります。

  • 小さい虫歯の場合は詰め物による治療・・初期の虫歯は簡単な処置で治療が可能です。放置せず早期に対応しましょう。
  • 中程度の虫歯の場合は被せ物による治療・・進行が進んだ場合、歯を補強する被せ物が必要になることがあります。
  • 深刻な場合は神経を取り除く根管治療・・神経まで達した場合、根管治療が唯一の解決策となることがあります。

放置すると虫歯が悪化し、歯を失うリスクが高まります。その結果、治療の選択肢が限られるだけでなく、費用や時間の負担も増えるため、早期治療が推奨されます。

虫歯で歯痛が起こるメカニズム

歯の図解

歯は表面から内部に向かって、エナメル質、象牙質、歯髄から成り立っています。エナメル質は人体の中で一番硬い部位で、痛みを感じません。

エナメル質の内部にある象牙質には象牙細管と呼ばれる細い管が無数にあり、その中には体液が入っています。更に奥にある歯髄は神経や血管から成り、歯根の先に繋がっています。

歯が傷むのは、主に象牙質が刺激を受けたり、歯髄に炎症が起こった場合です。

まとめ

歯の模型

虫歯が痛いときには、冷やすと痛みが和らぎます。逆に身体を温めると血行が良くなって痛みが増しますので、注意が必要です。虫歯に痛みが出ている時は、象牙質から歯髄に虫歯菌が到達しています。放っておいても治ることはありませんので、出来るだけ早く治療を受けましょう。