
子供の歯がグラグラするのは、乳歯が永久歯に生え変わるサインです。今日は、子どもの歯がグラグラする時期、どうすれば良いのかご説明します。
目次
子供のグラグラの歯はどうすれば良い?
子供の歯がぐらついている時に抜いて良いかどうかは、子供が乳歯から永久歯への生え変わり時期であるかどうかによって違います。生え変わりの時期であれば抜いても問題はありませんが、それ以外の場合は歯科を受診し、グラグラしている原因を調べてもらいましょう。
歯周組織のトラブルを避けるためにも、歯がグラグラで気になる場合は、親の手で抜かずに小児歯科へ通院し、歯科医師に対処してもらいましょう。
乳歯を自分で抜く場合はどうしたらいいの?
乳歯は自然に抜けるのを待ち、無理に抜かないようにします。早く抜きたい時は、舌や指を使ってそっと歯を揺らして動かしましょう。そうすることで乳歯は自然に抜けやすくなります。
- 舌や指で軽く揺らす・・子供自身が舌や清潔な指で乳歯を軽く揺らすことで、自然な抜け落ちを促進できます。
- 硬めの食べ物を噛む・・リンゴやニンジンなどの硬めの食べ物を噛むことで、乳歯が自然に抜けることがあります。
これらの方法を試す際は、子供に痛みがないか確認し、無理をしないよう注意してください。
歯を抜いた後に出血した場合はどうする?
乳歯を抜いた後に出血が起こった場合は、清潔なガーゼを丸めて歯が抜けた場所にあててしっかり噛みます。この方法は圧迫止血と呼ばれ、歯医者でも行う方法です。出血は大抵の場合5分程度で止まりますが、なかなか止血しない場合は歯科を受診しましょう。
乳歯を自宅で抜く際の注意点
乳歯がほとんど抜けかかっている場合、自宅で抜くことも可能です。しかし、以下の点に注意が必要です。
- 手の清潔を保つ・・抜く前に石鹸で手をしっかり洗い、清潔な状態で行いましょう。
- 無理に引っ張らない・・乳歯がまだしっかりと歯茎に付いている場合、無理に引っ張ると歯茎を傷つけたり、歯の根が残る可能性があります。
- 出血時の対処:・・抜歯後に出血した場合は、清潔なガーゼを丸めて抜けた部分に当て、しっかりと噛んで圧迫止血を行います。通常、5分程度で止血しますが、出血が続く場合は歯科医に相談してください。
歯科医に相談すべきケース
以下の状況に該当する場合は、自宅での対処を避け、歯科医に相談することをお勧めします。
乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきた場合
この場合、乳歯が永久歯の正常な位置への成長を妨げる可能性があります。歯科医に相談し、適切な処置を受けることが重要です。
片側の乳歯は抜けたが、反対側が抜けない場合
通常、歯は左右対称に生え変わります。片側だけが抜けない場合、何らかの問題がある可能性があるため、歯科医の診察を受けてください。
乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない場合
乳歯が抜けた後、長期間永久歯が生えてこない場合、埋伏歯や先天性欠如などの可能性があります。早めに歯科医に相談しましょう。
乳歯が虫歯でボロボロの場合
虫歯が進行している乳歯を無理に抜くと、歯の一部が歯茎に残るリスクがあります。歯科医で適切な処置を受けることが望ましいです。
乳歯が抜けた後のケアと注意点
乳歯が抜けた後は、適切なケアを行うことで、永久歯の健全な成長を促進できます。以下に、乳歯が抜けた後のケアと注意点をご説明します。
口腔内を清潔に保つ
抜けた部分はデリケートなので、歯磨きの際には柔らかい歯ブラシを使用し、優しく磨きましょう。また、刺激が少ないうがい薬で口をすすぐと、感染予防に効果的です。
食事の選び方
抜歯直後は、柔らかい食べ物を中心に摂取し、硬い食べ物は避けてください。硬い食べ物は傷口を刺激する可能性があります。
出血が続く場合の対処
抜歯後に出血が止まらない場合は、清潔なガーゼを噛んで圧迫止血を行います。それでも止血しない場合は、早めに歯科医を受診しましょう。
傷口の観察
抜歯後の傷口が腫れたり、膿が出たりする場合は感染症の可能性があります。異常が見られた際は、速やかに歯科医に相談してください。
乳歯が抜けた後のケアを適切に行うことで、永久歯の健康的な発育をサポートできます。また、子供が快適に過ごせるよう心掛けましょう。
乳歯が抜ける時期・永久歯が生える時期
乳歯は下顎の前歯に1本生えてから、上顎や奥歯などが生え揃います。乳歯だけの歯列が出来上がれば、自分で食べ物を噛むことができるようになります。
大人の歯である永久歯が最初に生えるのは6歳前後です。歯茎の下には永久歯の卵である歯胚があり、歯茎の中で育ちきると乳歯の歯の根(歯根)を溶かし、生えようと(萌出)します。ただ、前歯(切歯)・犬歯・奥歯(臼歯)が全て6歳ころに抜けたり生えるわけではなく、乳歯の場所によって生え変わるのに適切な年齢があります。
乳歯の生え変わりの基本
乳歯は子供の成長とともに、永久歯に生え変わります。一般的に、乳歯の生え変わりは以下の順序と時期で進行します。
- 前歯(中央):6~8歳
- 前歯(サイド):7~9歳
- 犬歯:9~12歳
- 第一臼歯(手前):10~12歳
- 第二臼歯(奥):10~12歳
これらの時期はあくまで目安であり、個人差があります。乳歯がグラグラし始めるのは、下から永久歯が生えてくるサインです。この自然なプロセスを理解し、過度に心配しないことが大切です。
おおよそ12歳頃までは混合歯列期と呼ばれる乳歯と臼歯が混じった状態の歯並びです。体の成長に差があるように、歯が抜ける・生えるタイミングには個人差があります。
乳歯から永久歯への生え変わり期に起こりがちなトラブル
歯の生え変わりに関連するお悩みは意外とあるものです。
乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない
先天性欠如歯という永久歯がないケースでは、義歯治療(インプラント・ブリッジ・入れ歯)が、埋伏歯という歯肉に歯が埋まっていて生えてこないケースでは、乳歯を使用するか外科手術により歯を生えるようにするなどの改善する処置が必要です。
生えたばかりの永久歯はむし歯になりやすい
初めて生えた永久歯は、歯質が柔らかく虫歯菌による感染のリスクが高い歯です。
そのためにも、定期的に歯医者さんへ行き、フッ素塗布やシーラントなどを行って大事な歯を強くしましょう。
永久歯が変な位置から生えた・歯並びが悪い
- 乳歯が抜けていないのに歯の裏側から永久歯が生えてきた
- 乳歯が抜けてから時間が経っているのに永久歯が生えてこない
永久歯が変な位置から萌出する理由
最近の子供はあごの小さい子が多いです。食べ物の加工技術により柔らかい物が多く、しっかりと噛む必要が少ないため、歯の本数に対するあごの広さがなく、不正咬合(出っ歯・受け口・叢生など)の歯並びの原因です。
歯並びを改善しないとどんなトラブルが起こりがち?
歯並びが悪いと、歯みがきの際に歯の重なる部分の食べかすや歯垢(プラーク)の除去が難しくなります。磨き残した部分で細菌感染が起こり、放置してしまうと大切な歯を失うトラブルにつながります。歯列矯正は、審美性という見た目の美しさ以外に、歯が正しい位置に動けば、綺麗な歯を健康に保つことができます。
まとめ
子供の歯の生え変わり時期に歯肉の腫れが見られたり、横や裏側から歯が生えてきたという場合は、迷わず小児歯科や小児矯正を行っている歯科医院を受診し相談しましょう。歯の生え変わりの際は特に歯磨きが重要です。自分でできるからと子供のみに歯を磨かせるのではなく、できるだけ奥歯や歯の裏側などは保護者が仕上げ磨きをし、それぞれの歯が磨けているか確認を行いましょう。
子供の乳歯がグラグラし始めるのは、成長過程における自然な現象です。ただし、適切な対処法やケアを知ることで、子供が快適に過ごせるだけでなく、永久歯の健康な成長をサポートできます。抜けた乳歯も、新たな医療技術の活用に役立つ可能性があるため、保存の選択肢を検討してみるのも良いでしょう。疑問や不安がある場合は、必ず歯科医に相談し、適切なアドバイスを受けてください。