虫歯治療後に痛いのはなぜ?いつまで続く?原因と受診の目安を解説

クローバー歯科クリニック豊中駅前院 歯科医師 松本 康裕

虫歯治療後に痛みが出ることはある?

あります。虫歯が深かった場合や歯の神経に近い部分を治療した場合などは、治療後に一時的にしみたり、噛んだときに違和感が出たりすることがあります。ただし、痛みが日に日に強くなる、何もしていなくてもズキズキする、歯茎や顔が腫れている場合などは、早めに歯科医院へ相談してください。

虫歯が歯の神経に近かった場合には、虫歯を取り除いた刺激などによって歯の神経が一時的に敏感になることがあります。また、根管治療後にも、歯の周囲に一時的な違和感や圧痛が生じることがあります。根管治療後について、米国歯内療法学会(AAE)でも、治療後に歯や周囲が一時的に敏感になる場合があることを案内しています。

日本歯科医師会でも、虫歯が歯髄まで進行すると強い痛みが生じ、さらに感染が進むと歯の根の先に炎症が広がることがあると説明しています。

この記事を読むとわかること

  1. 虫歯治療後に痛みが出る主な原因
  2. 冷たいものがしみる場合の考え方
  3. 噛むと痛い場合に考えられる原因
  4. ズキズキする痛みで注意したいこと
  5. 治療後の痛みが続く期間の考え方
  6. 自宅でできる対処法
  7. 歯科医院を再受診した方がよい症状
  8. 痛みが出ると治療失敗なのか
  9. 再治療が必要になるケース

 

目次

虫歯治療後に痛みが出るのはなぜ?

虫歯治療後に痛みが出るのはなぜ?の図解

虫歯治療後の痛みには、歯の神経が一時的に敏感になっている場合、神経に強い炎症が起きている場合、詰め物や被せ物の噛み合わせによって歯へ強い力が加わっている場合、根管治療後に歯の周囲が敏感になっている場合などがあります。痛みの原因は一つではないため、「どんなときに痛むのか」を確認することが重要です。

治療後の痛みは、痛み方によって考えられる原因が異なります。

虫歯が深く、神経が一時的に敏感になっている

歯の表面にはエナメル質があり、その内側に象牙質、さらに中心部には神経や血管を含む歯髄があります。

虫歯が深くなって象牙質の奥まで達している場合、虫歯をきれいに取り除くと、神経に近いところまで処置することになります。

そのため、治療後しばらくは冷たい飲み物などの刺激を以前より敏感に感じることがあります。

歯の神経に強い炎症が起きている

虫歯がかなり深かった場合、治療時には神経を残せても、その後に歯髄の炎症が強くなることがあります。

冷たいものだけでなく温かいものでも痛い、刺激を取り除いても痛みが長く残る、何もしていないのにズキズキするといった場合には、歯髄の状態を再度確認する必要があります。

米国歯内療法学会(AAE)でも、温冷刺激を取り除いた後まで続く痛みや、噛んだときの強い痛みなどを、歯髄や根管の状態を詳しく確認した方がよい症状として挙げています。

詰め物や被せ物の噛み合わせが強く当たっている

虫歯治療で詰め物や被せ物を入れた後、「治療した歯だけ先に当たる」「噛んだ瞬間だけ痛い」と感じることがあります。

噛み合わせがわずかに高いと、その歯に通常より強い力が繰り返しかかるため、噛んだときの痛みや違和感につながることがあります。

根管治療後に歯の周囲が敏感になっている

神経を取った歯でも、治療後に痛みを感じることがあります。

「神経を取ったのに、なぜ痛いの?」と思われるかもしれませんが、歯の周囲には神経を感じる組織が残っています。

根管治療後には一時的に圧痛や違和感が生じる場合があり、AAEも治療した歯を強く噛むことをしばらく避けるよう案内しています。

治療した歯に別の問題がある場合

以前に根管治療を受けた歯でも、治癒が十分でなかったり、新しい問題が生じたりして、時間が経ってから再び痛む場合があります。

AAEでも、以前に根管治療をした歯が数か月から数年後に痛みや病変を生じ、再根管治療が必要になる場合があることを説明しています。

虫歯治療後の痛みを考えるときは、「痛い」という一言だけでなく、何をしたときに、どのように痛むのかを整理してみましょう。
受診時に歯科医師へ伝える情報としても役立ちます。

痛みのタイプ 考えられる主な原因 受診の考え方
冷たいものが一瞬しみる 治療後の一時的な知覚過敏など 徐々に改善していれば経過を見る場合がある
噛むと痛い 噛み合わせ、歯の周囲の炎症など 続く場合は歯科医院へ相談
温かいものでも強く痛む 歯髄の炎症など 早めに相談
何もしなくてもズキズキする 歯髄の強い炎症など 早めに受診
歯茎や顔が腫れている 感染や炎症の広がりなど 早めに受診

表はあくまで目安です。同じ「噛むと痛い」という症状でも、原因が一つとは限りません。
症状だけで自己判断せず、改善しない場合は治療した歯科医院で状態を確認してもらいましょう。

冷たいものがしみるのは大丈夫?

虫歯治療後に冷たい水や飲み物が一時的にしみることはあります。特に深い虫歯を治療した場合などは、歯の神経が刺激に敏感になっていることがあります。刺激をやめれば痛みがすぐ消え、時間の経過とともに軽くなっている場合は経過を見ることもあります。一方、しみる時間が長くなったり、温かいものまで強く痛んだりする場合は再受診が必要です。

一瞬しみても改善傾向なら経過を見ることがありますが、長く痛みが残る場合は相談してください。

詰め物を入れた後に歯が敏感になることはあり、英国NHS系の歯科医療機関でも、詰め物後の知覚過敏は通常数週間以内に治まるものの、改善しない場合には歯科医院へ連絡するよう案内しています。

確認したいのは「しみるか、しみないか」だけではありません。

例えば、

冷たい水を飲む
→一瞬だけキーンとする
→刺激がなくなるとすぐ治まる
→数日前より軽くなっている

のであれば、一時的な過敏症状として経過を見ることがあります。

一方、

  • 冷たいものをやめても痛みが長く残る
  • 温かいものでも痛む
  • 夜になるとズキズキする
  • 痛みが日に日に強くなっている

といった変化がある場合には、歯髄の炎症などを確認した方がよいでしょう。AAEも、温冷刺激を取り除いた後まで続く知覚過敏を、歯髄の状態を評価する必要がある症状の一つとしています。

虫歯治療後に噛むと痛いのはなぜ?

治療後に噛んだときだけ痛む場合は、詰め物や被せ物の高さによって治療した歯へ強い力が加わっている可能性や、深い虫歯・根管治療の影響で歯の周囲組織が敏感になっている可能性などがあります。「この歯だけ先に当たる」と感じる場合は、噛み合わせの確認を受けましょう。

噛んだときだけ痛む場合は、噛み合わせや歯の周囲の炎症を確認します。

食事をしていないときには痛くないのに、
「硬いものを噛むと痛い」
「上下の歯を合わせた瞬間に響く」
という場合があります。

このような場合、まず確認したいのが噛み合わせです。
詰め物や被せ物を入れた歯がほんの少し高いだけでも、噛むたびにその歯へ強い力が集中することがあります。

また、根管治療後などは歯の周囲組織が敏感になり、一時的に噛むと痛く感じることもあります。米国歯内療法学会(AAE)では、根管治療後に噛み合わせが不均等に感じられる場合には、治療を担当した歯科医師へ連絡するよう案内しています。

「慣れれば大丈夫だろう」と何週間も我慢するより、治療した歯だけ強く当たる感覚があれば早めに確認してもらう方が安心です。

何もしなくてもズキズキ痛む場合は大丈夫?

何も食べたり飲んだりしていないのにズキズキする痛みは、一時的なしみとは分けて考えた方がよい症状です。特に夜眠れないほど痛む、温かいものでも強く痛む、痛みが日に日に増している場合には、歯髄に強い炎症が起きている可能性があります。早めに歯科医院へ相談しましょう。

何もしなくても続く強い痛みは、早めに確認してもらうことをおすすめします。

虫歯が歯髄まで進行すると、強い痛みが生じることがあります。

日本歯科医師会でも、虫歯が歯髄まで進行すると耐えがたい痛みが生じることがあり、その後さらに感染が進むと根の先や顎の骨まで炎症が広がる場合があることを説明しています。

特に、

  1. 何もしなくてもズキズキする
  2. 痛みで夜中に目が覚める
  3. 温かいものを口にすると強く痛む
  4. 鎮痛薬を使っても強い痛みが続く
  5. 歯茎や顔が腫れてきた

といった場合は、「あと数日待ってみよう」と我慢しすぎないようにしてください。痛みが強い場合ほど、原因を調べたうえで必要な歯科処置を行うことが大切です。

虫歯治療後の痛みはいつまで続く?

虫歯治療後の痛みが続く期間は、虫歯の深さや治療内容、歯髄の状態などによって異なります。そのため「○日以内なら必ず正常」と一律には決められません。軽いしみや違和感が時間とともに弱くなっている場合は経過を見ることがありますが、強い痛みが続く、痛みが増している、腫れがある場合には再受診が必要です。

日数だけではなく、「痛みが改善しているか」を見ましょう。

治療後の痛みについて患者さんからよく聞かれるのが、「何日までなら我慢しても大丈夫ですか?」という質問です。

もちろん期間は大切ですが、日数だけで判断することはできません。例えば治療後3日目でも、初日に比べてかなり軽くなっていれば回復途中の可能性があります。

反対に、昨日より今日、今日より明日と痛みが強くなっているのであれば、同じ3日目でも意味が違います。
米国歯内療法学会(AAE)では、根管治療後に噛み合わせが不均等に感じられる場合には、治療を担当した歯科医師へ連絡するよう案内しています。

治療後の痛みについて迷ったら、次の表を一つの目安にしてください。重要なのは、「軽い・強い」だけでなく、症状がどちらへ変化しているかです。

状態 目安 考え方
軽いしみが徐々に弱くなっている 経過を見ることがある 刺激を避けながら変化を確認
噛む違和感が続いている 歯科医院へ相談 噛み合わせなどを確認
痛みが日に日に強くなっている 早めに受診 歯髄や周囲組織を確認
何もしなくても強く痛む 早めに受診 歯髄の炎症などを確認
歯茎・頬が腫れている 早めに受診 感染の広がりなどを確認
発熱や強い倦怠感を伴う 速やかに歯科医院へ相談 感染の広がりを含めて確認

「一週間経ったら受診する」と日数だけを決めるより、悪化する兆候を見逃さないことが大切です。強い症状がある場合には、決めた日数まで我慢する必要はありません。

治療方法によって痛みの出方は違う?

虫歯治療といっても、コンポジットレジンを詰める治療、詰め物や被せ物を入れる治療、神経に近い深い虫歯の治療、根管治療など内容はさまざまです。処置した場所や歯髄との距離が異なるため、治療後に感じる違和感や痛みの出方も同じではありません。

「虫歯治療後の痛み」は、受けた治療によって意味が異なります。

1. コンポジットレジンを詰めた後

  • 比較的小さな虫歯では、虫歯部分を取り除いてコンポジットレジンで修復することがあります。
  • 日本歯科医師会でも、象牙質まで進行した虫歯では感染部分を除去し、コンポジットレジンや金属、セラミックスなどで修復する治療が紹介されています。
  • 虫歯が深かった場合には、治療後に一時的にしみることがあります。

2. 詰め物・被せ物を入れた後

  • 型取りをして作製した詰め物や被せ物を装着した後には、噛み合わせの違和感が出ることがあります。
  • 「治療したところだけ先に当たる」という感覚が続く場合には、噛み合わせを確認します。

3. 神経に近い深い虫歯を治療した後

  • できる限り神経を残す治療を行っても、その後の歯髄の反応によって痛みが出る場合があります。
  • しみる症状が短時間で治まるのか、長く続くのか、何もしなくても痛むようになっていないかを確認します。

4. 根管治療をした後

  • 神経を取った後でも、歯を支えている周囲組織は残っています。
  • 根管治療による刺激などから、一時的に噛むと響くような感覚が出ることがあります。強い痛みや腫れなどが続く場合には再評価が必要です。

虫歯治療後に痛いとき自宅ではどうすればいい?

虫歯治療後に痛みがある場合は、処方された鎮痛薬を指示通り使用し、治療した歯に強い力や刺激を与えないことが基本です。熱いもの・冷たいものなどで強くしみる場合は一時的に避け、硬いものを痛む歯で無理に噛まないようにしましょう。ただし、応急処置だけで強い痛みを長く我慢することはおすすめできません。

痛みを和らげながら、悪化していないかを確認することが大切です。

自宅でできることとしては、次のような方法があります。

  1. 処方された鎮痛薬を指示通りに服用する
    → 歯科医院から鎮痛薬が処方されている場合は、用法・用量を守って使用してください。市販薬を使用する場合も、持病や服用中の薬がある方は薬剤師や医療機関へ確認すると安心です。
  2. 痛む歯で硬いものを噛まない
    → 治療直後の歯へ強い力がかかると、痛みや違和感が強く感じられることがあります。
  3. 強くしみる温度の飲食物を避ける
    → 冷たいものや熱いものが刺激になる場合は、症状が落ち着くまで極端な温度を避けましょう。
  4. 治療した場所を何度も触らない
    → 舌や指で気になって繰り返し触ると、違和感を余計に意識してしまうことがあります。
  5. 痛みの変化を確認する
    → 「昨日より楽になった」「噛むときだけ痛い」「夜になると強くなる」などを覚えておくと、再受診時の診断に役立ちます。

AAEも根管治療後について、治療した歯で硬いものを強く噛むことを避けるよう案内しています。

自宅での対処はあくまで痛みを和らげるためのものです。痛みの原因そのものが残っている場合は、歯科医院で原因に応じた処置が必要になります。

どんな痛みなら歯科医院を再受診した方がいい?

治療後の軽い知覚過敏などは経過を見る場合がありますが、強い自発痛、痛みの悪化、腫れ、発熱、噛み合わせの明らかな違和感などがある場合は再受診をおすすめします。特に腫れや全身症状を伴う場合には、感染が周囲へ広がっていないか確認する必要があります。

「強くなる・腫れる・何もしなくても痛い」は再受診を考えるサインです。

次のような症状がある場合は、治療した歯科医院へ連絡してください。

  1. 何もしなくても強くズキズキする
  2. 痛みが日に日に増している
  3. 歯茎や頬が腫れてきた
  4. 発熱や強い倦怠感がある
  5. 噛み合わせが明らかにおかしい
  6. 治療前と同じような強い症状が戻った
  7. 痛み止めを服用しても強い痛みが続く
  8. 温冷刺激を取り除いても長く痛みが残る

一般的な歯痛についてNHSも、歯痛が続く場合や、発熱・腫れなどを伴う場合には歯科受診を勧めています。

同じ治療後の痛みでも、経過を見られることがある症状と、早めに確認した方がよい症状があります。特に「以前より悪くなっているかどうか」を一つの判断材料にしてください。

比較するポイント 経過を見ることがある状態 注意したい状態
痛みの強さ 軽く、徐々に弱くなっている 強い・日に日に増している
冷温刺激 一瞬しみてすぐ治まる 刺激後も長く痛みが残る
自発痛 ない 何もしなくてもズキズキする
腫れ ない 歯茎や頬が腫れている
噛み合わせ 徐々に違和感が減っている 特定の歯だけ強く当たる
全身症状 ない 発熱・強い倦怠感などがある

この表で「注意したい状態」に当てはまっても、必ず重大な問題が起きているという意味ではありません。ただし、原因を確認しておくことで、必要な処置を早めに行える可能性があります。

治療後に痛むのは虫歯治療が失敗したから?

治療後に痛みが出たというだけで、虫歯治療が失敗したとは判断できません。深い虫歯を治療した後には歯髄が一時的に敏感になる場合がありますし、根管治療後にも歯の周囲に違和感が出ることがあります。ただし、症状が改善しない場合には、噛み合わせや歯髄、根の周囲などを再評価します。

治療後の痛み=治療失敗、ではありません。

この質問は、患者さんからすると歯科医院へ直接聞きにくい内容かもしれません。
「先生に治してもらったのに痛いと言ったら失礼かな」と遠慮する必要はありません。

虫歯は、治療前の深さや歯髄の状態によって、その後の反応が異なることがあります。

例えば神経のかなり近くまで虫歯が進んでいた場合、神経を残して治療できたとしても、その後に歯髄の炎症が落ち着くケースもあれば、反対に症状が強くなり追加治療が必要になるケースもあります。

また、根管治療を受けた歯も、治療後に一時的な圧痛が出る場合があります。大切なのは、痛みが出たことを「成功・失敗」の二択で考えるより、現在の歯がどのような状態になっているかを確認することです。

歯科医院では治療後の痛みをどう調べる?

治療後の痛みを調べるときは、痛み方を聞くだけでなく、噛み合わせ、歯を軽くたたいたときの反応、冷温刺激への反応、歯茎の状態などを確認します。必要に応じてレントゲン撮影を行い、根の周囲や虫歯の状態などを調べることもあります。

「どこが痛いか」だけでなく、「何をすると痛いか」を調べて原因を絞ります。

受診時には、

  • いつから痛むのか
  • 冷たいもので痛むのか
  • 温かいもので痛むのか
  • 噛むと痛むのか
  • 何もしなくても痛むのか
  • 痛みは何秒・何分くらい続くのか
  • 初日より強いのか弱いのか

などを歯科医師へ伝えると、原因を判断する手がかりになります。

そのうえで、

  1. 噛み合わせの確認
  2. 歯髄の反応の確認
  3. 歯を軽くたたいたときの反応
  4. 歯茎の腫れや炎症の確認
  5. 詰め物・被せ物の状態
  6. レントゲンによる確認

などを必要に応じて行います。

「痛い」という感覚は同じでも、原因は歯髄、歯根の周囲、噛み合わせなどさまざまです。

痛みの原因によってどんな再治療をする?

虫歯治療後に痛みが続く場合も、必ず神経を取るわけではありません。噛み合わせの調整だけで改善する場合もあれば、歯髄の状態によって根管治療が必要になる場合、以前に根管治療をした歯では再根管治療を検討する場合があります。原因を確認して必要な処置を選択します。

再治療の内容は原因によって異なり、「痛い=神経を取る」ではありません。

1. 噛み合わせを調整する

詰め物や被せ物が強く当たっている場合には、噛み合わせを確認して必要に応じて調整します。

2. 歯髄の状態を経過観察する

軽いしみがありながらも改善傾向にある場合などは、歯髄を残したまま経過を見ることがあります。

3. 根管治療を行う

歯髄の炎症や感染が強く、神経を残すことが難しいと判断された場合には、根管治療が必要になることがあります。

日本歯科医師会も、虫歯が歯髄まで進行した場合には根管治療が必要になることを説明しています。

4. 再根管治療を行う

以前に根管治療をした歯に再び問題が起きている場合には、根管内を再度治療することがあります。AAEでも、治療済みの歯が治癒しなかった場合や新たな問題が生じた場合に、再根管治療が選択肢になるとしています。

5. 抗菌薬は必要な場合に使用する

歯が痛いからといって、すべてのケースで抗菌薬を使用するわけではありません。

米国歯科医師会(ADA)のガイドラインでは、多くの歯髄・根尖部由来の歯痛について、抗菌薬よりも原因となっている歯への歯科処置を優先することが推奨されています。感染が広がり、発熱や倦怠感など全身症状を伴う場合には抗菌薬が必要になることがあります。

再受診したからといって、大がかりな再治療になるとは限りません。
原因によっては、噛み合わせを確認するだけで済む場合もあります。

考えられる原因 歯科医院で行う主な対応
噛み合わせが強い 噛み合わせの確認・必要に応じた調整
治療後の一時的な知覚過敏 歯髄の状態を確認しながら経過観察など
歯髄の強い炎症・感染 状態に応じて根管治療を検討
根管治療後の問題 画像や症状を確認し、必要なら再根管治療などを検討
詰め物・被せ物の問題 適合状態や噛み合わせを確認

原因が違えば、必要な処置も違います。
「また削られるかもしれない」と受診をためらうより、まず現在の状態を確認してもらうことをおすすめします。

再受診した場合の費用・期間・通院回数は?

虫歯治療後の痛みで再受診した場合の費用や通院回数は、原因によって大きく異なります。噛み合わせや歯髄の状態を確認するだけで済む場合もあれば、根管治療や詰め物・被せ物の再治療が必要になる場合もあります。そのため、「痛みがあると必ず何回も通院する」とは限りません。

費用や通院回数は、痛みの原因と必要な処置によって変わります。

例えば、詰め物や被せ物の噛み合わせを確認するケースと、歯髄に強い炎症があり根管治療が必要になるケースでは、処置内容も治療期間も異なります。

根管治療が必要な場合には複数回の通院が必要になることがありますし、その後に歯の状態に応じて被せ物などを作製することもあります。

また、レントゲン撮影などの検査が必要になる場合もあります。

そのため費用・期間・通院回数については、痛みの原因を調べたうえで確認するのが確実です。

「再受診したらまた最初から全部治療になる」と考えて受診を遅らせる必要はありません。

虫歯治療後の痛みについてよくある質問

Q1. 虫歯治療後に痛いのは治療が失敗したからですか?

治療後に痛みが出たというだけでは、治療失敗とは判断できません。深い虫歯を治療した後や根管治療後などには、一時的に歯や周囲組織が敏感になることがあります。ただし、症状が改善しない場合には原因を再確認します。

治療後の痛みだけで、治療の成否は判断できません。

遠慮せず、痛みが続いていることを治療した歯科医院へ伝えてください。

Q2. 虫歯治療後の痛みは何日くらい続きますか?

治療の内容や虫歯の深さによって異なるため、「何日なら正常」と一律には決められません。軽いしみなどが徐々に改善していれば経過を見る場合がありますが、強い痛みが続いたり悪化したりする場合には受診してください。

日数だけでなく、改善しているかどうかが重要です。

昨日より痛みが軽いか、反対に強くなっているかを確認してみてください。

Q3. 虫歯治療後に噛むと痛いのはなぜですか?

詰め物や被せ物の噛み合わせが強く当たっている場合や、深い虫歯・根管治療後に歯の周囲組織が敏感になっている場合などがあります。特定の歯だけ先に当たる感じがする場合は歯科医院へ相談してください。

「噛むときだけ痛い」場合は、噛み合わせの確認も重要です。

痛みが続く場合には無理にその歯で噛まず、状態を確認してもらいましょう。

Q4. 虫歯治療後に冷たいものがしみるのは大丈夫ですか?

治療直後には一時的に冷たいものへ敏感になる場合があります。刺激を取り除けばすぐに治まり、徐々に改善している場合は経過を見ることがあります。一方、刺激後も長く痛みが残る場合や温かいものでも痛む場合には受診をおすすめします。

一瞬のしみと、長く残る痛みは分けて考えましょう。

詰め物後の知覚過敏は数週間で改善することもありますが、症状が治まらない場合には歯科医院へ連絡してください。

Q5. ズキズキ痛む場合は神経を取る必要がありますか?

ズキズキ痛むからといって、診察をせずに神経を取ると決めることはできません。歯髄の状態や温冷刺激への反応、噛んだときの症状、画像検査などを確認し、神経を残せるかどうかを判断します。

強い痛みがあっても、必要な治療は検査してから判断します。

ただし、何もしなくても続く強い痛みや腫れがある場合には、我慢せず早めに歯科医院へ相談してください。

まとめ|虫歯治療後の痛みは「何日目か」より「どう変化しているか」を確認しよう

虫歯治療後には、歯髄への刺激や噛み合わせ、根管治療後の反応などによって、一時的に痛みや違和感が出ることがあります。軽い症状が徐々に改善している場合は経過を見ることがありますが、何もしなくてもズキズキする、痛みが強くなる、腫れや発熱がある場合には早めの再受診が必要です。

治療後の痛みで大切なのは、「痛いかどうか」だけでなく「改善しているか悪化しているか」です。

虫歯治療後に痛みが出ると、

「治療したのに、どうして?」
「治療に失敗したのでは?」
「もう少し我慢した方がいい?」

と不安になると思います。

しかし、深い虫歯を治療した後などには、一時的にしみたり違和感が出たりすることがあります。

まず確認したいのは、

  1. 冷たいものに一瞬しみるだけなのか
  2. 噛んだときだけ痛むのか
  3. 何もしなくてもズキズキするのか
  4. 痛みは昨日より軽くなっているのか
  5. 歯茎や頬が腫れていないか
  6. 発熱など全身症状がないか

という点です。

ここで大切なのは、カレンダーだけを見て「まだ3日だから大丈夫」と判断しないことです。軽い痛みでも少しずつ改善しているのであれば回復途中の可能性があります。一方、治療翌日より3日目、3日目より5日目と痛みが強くなっているのであれば、早めに原因を確認した方がよいでしょう。

そして、治療後に痛みがあることを歯科医院へ伝えるのは、決して失礼なことではありません。

治療を担当した歯科医院であれば、どの程度の虫歯だったのか、どのような処置を行ったのかという情報を踏まえて状態を確認できます。

「もう少し我慢してから」と抱え込まず、痛みが強い、悪化している、腫れているなど気になる変化があれば、治療を受けた歯科医院へ相談してください。

関連ページ:クローバー歯科クリニック豊中駅前院の虫歯治療