虫歯や歯周病の予防や早期発見のためには歯科定期検診を受けて頂くことが重要です。特に歯周病は軽症のうちは自覚症状が少ないため判断しにくく、気づいたらかなり進んでいたということが良くあります。歯科定期検診についてご説明します。
歯科定期検診の主な目的
歯垢・歯石をきれいに除去する
歯科定期検診を受ける一番大事な目的は、ご自宅での歯磨きだけでは取り切れない歯垢や歯石を、歯科衛生士にきれいに除去してもらい、お口の中の細菌を減らして虫歯や歯周病のリスクを下げるということです。
歯を歯ブラシで磨くだけでは、お口全体の汚れの6割程度しか落ちていません。歯間ブラシやデンタルフロスを使うことで、8割程度落とすことが出来るようになります。
あとの2割は歯周ポケットの中の歯垢や歯石の汚れとなり、歯科医院での専用の機器を使ったクリーニングなら除去出来ます。
噛み合わせの確認
噛み合わせの確認も大切です。毎日の食事によって歯はだんだん摩耗していき、同じ方でも20歳時の噛み合わせと40歳時の噛み合わせは違っています。
また、虫歯治療でお口の中に詰め物や被せ物が増えると、それだけで噛み合わせが変わりますし、詰め物・被せ物の方が天然歯よりも硬いため、歯が少しずつ削れてしまいます。
噛み合わせの悪さは頭痛や肩こりを引き起こすことがあります。
虫歯があまりない人は歯周病に注意しよう
歯周病は殆ど自覚症状がなく進行していくため、歯を失う大きな原因になっています。そして虫歯が少ない人は歯周病にかかりやすい傾向があります。
それは、虫歯治療のために歯科医院に通った経験がないので、普段から歯医者に通うという発想がないためです。
歯周病は、虫歯とは別の細菌が起こす感染症で、虫歯がない人でも歯周病が進行していくと、突然歯が次々に自然に抜けてしまうといったケースもあります。
定期検診では何をするの?
歯の定期検診で行う内容は、以下のようなことです。必要に応じて内容は少し変わります。
- 口の中の確認
- クリーニング
- 歯周病検査
- 歯科衛生士からケアに関するアドバイス
- フッ素塗布・フッ素のうがい
1.口の中の確認
初回は歯に悪い所はないか、今までの歯の治療の様子、骨の状態などを知るために、レントゲン撮影を行います。もちろん目視でも歯や歯茎の状態を診ます。
2.クリーニング
歯科衛生士が専門の機具を使って歯のクリーニングを行います。歯の汚れや歯垢、歯石を取り除きます。歯石が多かったり、タバコのヤニ汚れがかなりついている場合は、自由診療のクリーニングを受けて頂く場合もあります。
3.歯周病検査
必要に応じて歯周ポケットの深さを測り、出血の有無や歯の動揺を調べます。
4.歯科衛生士からケアに関するアドバイス
歯に付いた汚れや歯垢、歯石の状況から、歯科衛生士が歯磨きで磨き残しが多い場所をどうやって磨くか等のアドバイスを行います。
5.フッ素塗布・フッ素のうがい
必要に幼児手虫歯予防のためのフッ素塗布やフッ素のうがいを行います。歯科医院で使用するフッ素の薬剤は市販のものよりも高濃度ですので、効果が高いです。
ストレスが歯の状態を悪くする
家庭や職場や学校などの環境が変わったタイミングで、お口の中の状態が悪くなる方がおられます。これにはストレスが関係していると考えられます。
口内はその方の生活が良く表れる場所で、毎日の生活の中で辛いことやきついことが起こると、歯や歯茎にもトラブルが出る場合が多いです。
歯科定期検診の目的に関するQ&A
歯科定期検診の主な目的は、歯磨きだけでは取り切れない歯垢や歯石を除去し、虫歯や歯周病のリスクを下げることです。
歯ブラシでの歯磨きだけでは、お口全体の汚れの約6割程度しか落ちません。
歯科定期検診では、口の中の確認、クリーニング、歯周病検査、歯科衛生士からのケアアドバイス、フッ素塗布・フッ素のうがいなどを行います。
まとめ
歯科定期検診を受けておられない方は、ぜひ数ヶ月に1回お受けいただきたいと思います。歯科定期検診は予防歯科とも呼ばれ、虫歯や歯周病の予防と、早期発見・早期治療を目的として行われます。