矯正歯科

前歯のガタガタは治すべき?

前歯のガタガタは治すべき?

クローバー歯科クリニック豊中駅前院 歯科医師 松本 康裕

前歯のガタガタは治すべきか、どれくらいの費用が治療に時間がかかるか、気になる方も多いでしょう。今日は歯科医院で行う前歯の歯並びのガタガタの治し方・装置について詳しくご紹介いたします。

ガタガタ前歯は治すべき?放置するとどうなる?

ガタガタと前後に出ている前歯が気になるけど、特に噛めないわけではないと思っていませんか。確かに前歯を失う欠損ではありませんが、歯列弓がアーチになっていないデコボコの前歯は、見た目の審美性に欠けるのみではなく、歯の機能としても劣ることがありますので、矯正治療で歯並びを治すことをおすすめします。

前歯がガタガタの場合の機能

  • 前歯の咀嚼機能の一つである小さくちぎるという歯の役割が劣る
  • 食べかすや歯垢(プラーク)が重なる部分に溜まりやすい
  • 歯ブラシでの歯磨きがしづらく汚れを除去できない
  • 虫歯や歯周病など細菌感染の可能性が高まり、痛みや腫れの症状につながる

前歯がガタガタの場合の審美性

  • 前歯がガタガタしていることで審美性が劣る
  • 歯並びがコンプレックスとなると周囲の視線が気になり、お口を隠して人前で話す

一般的にガチャ歯などと呼ぶ人がいるでしょうが、前歯がガタガタの状態を叢生(そうせい)と専門的に呼びます。程度が軽度、中度、重度により、部分的な矯正を行う部分矯正か、奥歯の噛み合わせも含めて全体的な矯正を行う必要がある全顎矯正かに分類されます。

前歯がガタガタになる原因

前歯がガタガタになる原因としては以下のものが挙げられます。

  • 顎が小さい
  • 歯が多い
  • 歯が大きい
  • 指しゃぶり・舌癖などの癖がある

昔と違い、現代は食品加工の進化により柔らかい食事が増え、固い食べ物が少なくなりを噛まなくなる傾向にあります。そのため、噛む回数が減って顎の発達に影響が及び、あごの広さが狭いという方が多くなりました。

不正咬合の種類
  • 上顎の前歯が出ている(出っ歯・上顎前突)
  • 下顎の前歯が出ている(受け口・反対咬合)
  • 八重歯(叢生)
  • 奥歯を噛むとお口が閉じられない(開咬)
  • 噛み合わせが深い(過蓋咬合)
  • すきっ歯(正中離開・空隙歯列)

不正咬合には様々な種類があります。

前歯のガタガタは年齢により治療法が異なる?

前歯のガタガタを治療したいと矯正のご相談に来られた際、年齢や口腔内の状態によっておすすめする治療計画が異なります。

乳歯と永久歯が混じった混合歯列期の子供

  • インビザラインファーストというマウスピース型の矯正装置
  • 患者様ご自身で取り外しが可能な拡大床

これらの装置を使って、あごのスペースを広げます。いずれも顎の広さを広げる特徴があり、効果的です。

すべて永久歯に生え変わった方

矯正治療で治すか、セラミック治療で治すかという選択肢になります。

矯正治療で治す軽度の方

  • 前歯数本のみ歯にブラケットを接着し患者さんご自身では外せないワイヤー矯正
  • 透明で見えにくい取り外しが可能なマウスピースを装着するインビザライン矯正

軽度な場合は部分矯正となり、上下全ての歯で行う全体矯正と比べると短期間で料金が安くなります。

矯正治療で治す中度・及び重度の方

  1. 大きく歯が重なる場合、隙間を得て正しい位置に歯を動かすために抜歯を行う
  2. 抜歯後に全顎矯正となる
  3. ワイヤーブラケット矯正かインビザライン矯正の選択肢となる

ワイヤー矯正はマウスピースの矯正に比べて治療期間が短いです。表側に装着すると目立ちますが、裏側に装着すると費用は高いですが人からは見えません。対して、インビザラインは目立たない装置ですので、周囲の人に気づかれずに矯正を行えます。

セラミック治療

  1. 歯を削り神経の痛みが出ないことを確認する
  2. その後セラミックの被せ物をかぶせる
  3. クラウンで重なっている前歯を改善する

歯列矯正と比較して治療期間がかからないことがメリットだが、歯を削るため、未来の歯の健康へのリスクというデメリットも併せ持ちます。

前歯のガタガタに関するQ&A

前歯のガタガタは治療すべき?

ガタガタの前歯は見た目の審美性に欠けるだけでなく、歯の咀嚼機能が低下したり、食べ残しやプラークが溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクを高めます。

前歯がガタガタになる主な原因は何ですか?

顎が小さい、歯が多い、歯が大きい、または指しゃぶり・舌癖などの癖がある場合に前歯がガタガタになることがあります。

中度・重度の前歯のガタガタはどのように治療しますか?

抜歯を行い、その後に全顎矯正を行います。治療にはワイヤーブラケット矯正かインビザライン矯正が選択されます。

まとめ

歯のキャラクター

矯正治療を開始する前に、歯科医師によるカウンセリング(当院は予約制で無料)・レントゲンなどの精密検査・ドクターによる治療計画と費用の提示、患者さんの同意を経て、歯科矯正は初めて行えます。

矯正治療は保険適用外の自費治療ですので、患者さんはしっかりとご質問や確認をしたうえで納得して治療をスタートさせましょう。矯正後にきれいな歯並びになれば口元も気にならず、歯みがきを行いやすため、セルフケアの向上になります。